先日、新たにはしかの感染者がシドニーでも確認されました。感染が確認されたのは、バリから帰国した女性と赤ちゃんで、カンタス航空(QF44)を利用したようです。保健当局は、バリ島からオーストラリアへのフライトを利用した乗客、又は空港を利用した人に麻疹の症状を調べるように警告しています。この新しい感染で、NSWでの感染者数はクリスマス後19人となり、さらなる感染の拡大が懸念されています。
今回はシドニーに到着してから症状が出るまで期間があったので、ショッピングセンター(Macquarie Shopping Centre)など多くの場所を訪れていたようなので、高熱や発疹の症状が疑われる場合は早めにかかりつけ医へ相談することをお勧めします。ページの最後に保健局が発表した警戒区域をのせておきます。
麻疹(はしか)とは
麻疹(ましん)は『はしか』ともいい、空気感染・飛沫感染・接触感染によりうつる感染力の強い病気です。日本では2015年3月に世界保健機関(WHO)から「麻しん排国」に認定されましたが、未だに外国から持ち込まれた麻しんウイルスによって麻しんは発生しています。一般に、18際以上の大人がかかる成人麻疹のほうが重症化しやすいといわれています。
麻疹を発症しても多くは数日で熱が下がり完全に回復します。しかし、 高熱により重症な経過をとることもあるので注意が必要な感染症として知られています。また、脳炎や肺炎を合併すると後遺症を残す恐れもあります 。 先進国でも麻疹患者さんのうち1,000人に1人ほどは亡くなる可能性があるとされ、日本でも子どもの死亡例が報告されています。
症状
感染して約10日の潜伏期後にさまざまな症状が出始めます。患者さんの多くがいくつかの段階を踏んで回復に至ります。
カタル期(前駆期)
麻疹の発症後から2~4日間をカタル期と呼びます。カタル期には 風邪のような症状が現れ 、主な症状としては38度前後の発熱・咳・鼻水・倦怠感(だるそうで不機嫌な様子)などです。 その他にも、白目部分の充血、目やに、眩しさなど、結膜炎症状も伴うことがあり、乳児や幼児の場合は、下痢や腹痛が同時に起きることもます。
また、診断の役に立つ体の変化は口内にもみられ、粘膜全体が赤くなっていたり、頬の粘膜に小さな白い斑点(コプリック斑)ができていたりすることもあります。白い斑点は麻疹に特徴的な症状であり、発症後1週間を過ぎると消失します。
発疹期(ほっしんき)
発熱が一時的に1度ほど下がり、およそ半日程度のうちに再び上昇して39.5度以上ほどになります。これは二峰性発熱といい、発熱などの症状が一度高まり治まりかけたのちに再び高まることを指します。発熱は発疹が出現してから全身に広がるまで約10日間続きます。
発症後、約3日を過ぎると麻疹に特徴的な赤く小さい発疹が現れ始めます。発しんは耳の後ろから顔面にかけて現れ、続いて胴体や腕に生じ、やがて手足の末端まで広がります。時間の経過とともに退色していきますが、赤い発しんが消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴です。
また、カタル期に生じていた鼻水や咳、結膜炎症状は、この時期にさらに強くなる傾向があります。
回復期
熱が下がり、全身状態も回復して、元気を取り戻していきます。発疹は黒みがかった色素沈着となり、解熱後もしばらく残ります。熱が下がっても3日経つまでは感染の恐れがあるので登園、登校ができません。
合併症がない場合、麻疹の発症から1週間程度で主な症状は改善します。ただし、体力や免疫力の回復にはさらなる期間を要するため、他の感染症などにかからないよう注意が必要です。
警戒区域
ニューサウスウェールズ州保健当局が感染者の滞在記録を発表しました。これと同時期にこれらの地域に滞在していた方で、体調がすぐれない場合はかかりつけ医に相談することをお勧めします。
The baby was in several public areas while infectious, including:
Tuesday, February 26
Sydney Opera House
Macquarie Shopping Centre
Saturday March 2
Macquarie Shopping Centre
Friday March 1 and Saturday March 2
My Health Macquarie
Sunday March 3
Penny Lane Cafe, Curl Curl
Northern Beaches Hospital