2018年7月1日付で予防接種のガイドラインに変更がありました。抜粋すると以下のようになります。

  • ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)の予防接種が12カ月から18カ月へと変更
  • 肺炎球菌ワクチン(pneumococcal vaccine)3回目の予防接種が6カ月から1歳へと変更
  • 髄膜炎菌感染症(meningococcal disease)の12カ月での予防接種がC群のみだったものがACWY群の4種混合へと変更

肺炎球菌ワクチン(pneumococcal vaccine)

肺炎球菌は、乳幼児の上気道に感染後、ときに細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎などの重篤な全身感染症や中耳炎、副鼻腔炎などの気道感染症を起こします。子ども、とりわけ2歳以下の子どもは肺炎球菌に対する免疫がほとんどなく、小児の肺炎球菌感染症は重症化することが多くなります。

現在、1~2歳での感染が増加傾向にあるため、今回の予防接種ガイドラインの変更で1歳をこえてからの感染を減らそうとする意図があるようです。

髄膜炎菌感染症ACWY群(meningococcal disease ACWY)

髄膜炎とは脳・脊髄の表面をおおっている髄膜に炎症が起きている状態で、この炎症が髄膜炎菌という細菌によって引き起こされるものが髄膜炎菌感染症(髄膜炎菌性髄膜炎)です。

アフリカ大陸には髄膜炎菌性髄膜炎が特に多く見られる地域があり、髄膜炎ベルト地帯と呼ばれています。オーストラリアにおいては予防接種の普及により、C群自体の感染数は減少傾向にあるものの、他の群の感染が北部や南部などの特定地域で増加傾向にあるため注意が必要です。今回の予防接種ガイドラインの変更はこの増加傾向を反映させたものになります。

この菌に感染すると、発熱、頭痛、嘔吐などの初期症状が出ます。これらは風邪の症状に似ているため、早期診断がとても困難です。髄膜炎菌による感染症は他の細菌による髄膜炎に比べると、病状の進行が速いことが特徴です。意識障害、全身出血によるショックのために死亡することもあり、発症後2日以内の致死率は5〜10%とも言われています。早期発見からの適切な治療を経ても、10〜20%の割合で神経障害や手足の切断などの後遺症を残すこといわれ、ワクチンでの予防が重要です。

ガイドライン変更以前にC群単体のワクチンを接種している場合、ACWY群のワクチンは任意扱いとなるので政府からの補助金はおりません。

その他のワクチンや病気についても随時アップしていきます。

Allied Physiotherapy Japan

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