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感染者数は少ないものの、シドニーで水疱瘡(みずぼうそう)の患者さんが確認されました。感染が確認されたのは、アメリカから帰国した子供で、アメリカ行きのカンタス航空を利用したようです。また、2週間前にも別の水疱瘡の感染者がMacquarie Shopping CentreのGPで診察を受けるなど、保健当局からの警報は出ていないものの患者数は多くなってきている印象です。

水ぼうそうは症状の発症までの潜伏期間が2週間ほどあるので、高熱や発疹の症状が疑われる場合は早めにかかりつけ医へ相談しましょう。特に赤ちゃんや妊婦さんは注意が必要です。

水疱瘡(みずぼうそう)とは

水疱瘡は水痘(すいとう)ともいい、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスに感染することにより起こります。水疱瘡は自然に治ることが多いですが、新生児や免疫が低下したお子さん、まれに健康なお子さんでも重症化し、命にかかわることがあります。

水痘帯状疱疹ウイルスは空気感染により他人に移るため、症状を発症している方と同じ空間にいるだけでウイルスに感染してしまうことがあります。

症状

水疱瘡の主な症状は、発熱と発疹です。発疹は赤みを帯びることから始まり、水ぶくれを経て、かさぶたへと経過します。発疹は体から手足へ広がり、頭皮や口のなかにもできることがあります。多くの場合、自然によくなっていきますが、合併症を引き起こすこともあります。

二次性細菌感染

二次性細菌感染は発疹に細菌が感染することで皮膚感染症を起こし、さらに細菌が血液中にまで侵入して菌血症・敗血症という重症の感染症を引き起こすものです。肺炎を合併することもあり、感染が脳に影響を及ぼすと脳炎や急性小脳失調を起こし、けいれんや意識障害、歩行障害などの症状が現れます。

先天性水痘症候群

妊婦が感染してしまうと、お腹のなかのお子さんも水疱瘡にかかり、生まれつき皮膚病や手足の障害があらわれる「先天性水痘症候群」という状態で生まれてくる可能性が高くなります。また、妊娠中に感染してしまうと流産の可能性も高くなります。

帯状疱疹

帯状疱疹では、脊髄後根神経節に留まったウイルスが再活性化し、通常片側の神経に沿って痛みを伴う水疱を生じます。これは、疲労や免疫力の低下が原因になります。成人に多いですが、小児でも免疫が低下した場合に発症することがあります。

治療

水痘はウイルスによって引き起こされる病気であるため、抗ウイルス薬を用いることで対処します。熱やかゆみなどを生じることもあるため、解熱剤やかゆみ止めといった対症療法を行う場合もあります。

また、感染力が強いため周囲への感染拡大対策として、登校や登園に注意を払うことが必要です。具体的には、皮膚の病変がすべてかさぶたになることを確認するまでは、家にいることが求められます。

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