緊張性頭痛

英名:tension-type headache

緊張性頭痛は一次性頭痛の中で最も頻繁に起きる頭痛ですが、症状発生のメカニズムはまだ解明されていないことが多くあります。男女関係なく起こるとされ、約80%の方が一生を通して1度は経験すると言われています。 また、緊張性頭痛が1ヶ月の間に15日以上(年間180日以上)続くと、慢性的緊張性頭痛と診断されます。

緊張性頭痛の症状

緊張性頭痛は以下のような発作的な痛みを何度も繰り返すものや、長時間痛みが持続するものなど様々です。

  • 頭の両側で起こる
  • 頭頂部から顔面や後頭部へと広い範囲にわたる痛み
  • 軽度~中等度の圧迫感や締め付けられる
  • 音か光のどちら一方に過度に敏感になることがある

片頭痛とは違い緊張性頭痛の症状は比較的穏やかで、運動により症状が悪化することがすくないので、日常の生活動作に支障を来すことは片頭痛ほど強くはありません。また、この頭痛タイプは吐き気や嘔吐の症状の報告はされていませんが、音か光のどちら一方に過度に敏感になることがあります。

緊張性頭痛の原因

緊張性頭痛の主な説は、筋肉の過度の緊張による血流の悪化が頭痛と関与するとされています。筋肉内の血流が悪くなると疲労物質などが蓄積しやすくなり、サブスタP・プラジキニンといった物質が神経を刺激し痛みが発生します。このような血流の悪化はストレス、不良姿勢、疲労、冷え、運動不足などによって引き起こされます。また、多くの研究でストレスや過度の心理的負担が増えるにつれ、緊張性頭痛の症状が重くなるとレポートされています。

緊張性頭痛の慢性化

緊張性頭痛が長期間続くと、体を守るために肌や筋肉内の神経が痛覚だけでなく、圧力・温度などの刺激に対しても過敏になります。また、末梢神経の変化と同時に、脳内では痛みを抑える細胞の減少が起き、これ両方が痛みの悪化や長期化の原因となると考えられています。緊張性頭痛が慢性化しても、治療により2日に1度程度の頭痛頻度までは回復すとは言われていますが、頭痛無しの生活にまで戻るのは難しいと考えられています。

緊張性頭痛と病気の併発

緊張性頭痛を持っている患者さんの多くが、その他にも病気や疾患を持っていることがしられています。これらの疾患は頭痛の進行に深く関わっているので、緊張性頭痛と並行して治療することが必要になります。

  • 顎関節症
  • 歯ぎしり
  • うつ
  • 薬の過剰摂取
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