片頭痛・緊張性頭痛・群発性頭痛の3つがほとんどの一次性頭痛の患者割合をしめるのですが、その他にも多くの一次性頭痛が報告されているので紹介します。
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咳嗽性頭痛(咳頭痛:Cough Headache)
咳によって誘発され、両側の後頭部に約1分~2時間程持続する痛みが特徴で、主に40歳以上の男性に起こります。また、咳以外にも鼻をかんだ時、笑った時、歌っている時などにも起こりえます。はっきりとした原因は分かってはいないのですが、外からの刺激によりアセチルコリンが分泌し、血管が拡張することが頭痛の1つの原因だと考えられています。また、悪心、嘔吐、めまいや睡眠障害を約65%の患者さんが併発します。
運動時頭痛(Exercise headache)
この頭痛は運動時や、ランニングやスイミング、またウェイトリフティングなど、激しい運動後に感じます。ほとんどの場合、頭痛は頭の両側でおこり、鼓動に合わせて痛みを感じます。詳しい原因は分かってはいないものの、激しい運動により脳内の血管が拡張することにより起こると考えられています。気温や湿度が高く、運動中に脱水症状がみられるとこの頭痛の発症率が高くなると言われています。
薬物乱用頭痛(Medication overuse headache)
鎮痛剤などを飲み続けることによっておこる頭痛です。また、市販に販売されている薬品や、医師から処方された薬でも稀ではありますが頭痛が起こることもあります。
性行為に伴う頭痛(Headache associated with sexual activity)
首および頭周辺の筋肉の過度の緊張状態や、血圧の上昇に伴い頭痛の症状が出るとされています。多くの場合、性交渉の中止とともに頭痛は弱くなります。鈍痛のような症状の場合と、脈打つような痛みの場合のどちらかが多いとされていますが、場合により両方の痛みを併発する場合もあります。
雷鳴頭痛(Thunderclap headache)
血流を操作する交感神経の異常により、血管の異常拡張や異常収縮により頭痛が起こるとされています。名前の通り、いきなり雷に打たれたような激しい痛みに襲われる頭痛のことで、頭痛が出始めて1分以内に痛みがピークに達し、数時間から数日間続くとされています。嘔吐や吐き気もよく見られ、二次性頭痛との見分けが非常に難しいです。
冷刺激頭痛(Cold-stimulus headache / Ice cream headache)
冷たいものを摂取したときに起きる、刺すような痛みを短時間伴う頭痛です。最も一般的な例は、アイスやかき氷などの冷たい食べ物を一気に摂取したときに起きる頭痛です。また、一度に冬に温かい室内から冷たい外気を吸い込んだ時や、ダイビング初めに頭が冷たい水に触れることでも起きると報告されています。
この頭痛のメカニズムは完全には分かっていませんが、1つの説として交感神経の反射があります。これは、冷たい食べ物を摂取したとき、神経が熱を失わないようにするために反射を起こしわざと血流を悪くするというものです。
蓋外圧力/ポニーテール頭痛(External compression headache)
頭皮に障害を起こさない程度にきつい帽子や髪留め、および水泳中のゴーグルのような圧力により起こる頭痛です。頭痛は原因の圧力の程度と時間によって変化し、痛みは圧力の部位で最大であるが、頭部の他の領域に及ぶことがよくあります。
睡眠時頭痛(Hypnic headache / Night time headache)
睡眠時にのみ起こる極めて稀な頭痛です。50 歳以降での発症が最も多く、痛みは軽度〜中等度であることが多いです。約70%の患者さんが両側性の痛みを持ち、通常15〜180 分程度持続します。