このホームページではワクチンで病気を防ぐことの大切さを知ってもらうためにワクチンや、それで防げる病気（VPD: vaccine preventable diseases）についてお話していきます。
予防接種の役割
感染症にかかると病原体を攻撃する抗体が体の中で作られ、同じ病気にかかりにくい体を作ります。一般的にこの仕組みのことを免疫といいます。そして、この免疫を有効利用した薬がワクチンです。ですので、事前にワクチンを接種して病原体に免疫を作っておくことで病気に強い体を作ります。
赤ちゃんはお母さんからへその緒を通して様々な免疫が受け継がれますが、そのほとんどが乳児期の間に失われてしまいます。そのため、定期予防接種の時期が来たらなるべく早い時期にお医者さんに行くようにしましょう。
ワクチンの種類
ワクチンは病原体の細菌やウィルスから作られ、成分の違いから大きく3種類に分けられます。
生ワクチン
病原体となるウイルスや細菌の毒性や発病力を弱めてたものが原材料として使われます。毒性を弱めらてるとはいえ、病原体が体内で増殖して免疫を高めていくので、接種の回数は少なくて済みます。
- ロタウイルス感染症
- 結核
- 麻疹（はしか）
- 風疹（ふうしん)
- 流行性耳下線炎(おたふく・ムンプス)
- 水痘（みずぼうそう）
- 黄熱病
不活性ワクチン
病原体となるウイルスや細菌を殺菌して毒性をなくし、免疫をつけるのに必要な成分のみを抽出して作られます。生ワクチンに比べて弱く、免疫がつきにくいため、基本的に何回か追加接種が必要になります。また、接種回数はワクチンによって異なります。
- B型肝炎
- Hib感染症
- 肺炎球菌感染症
- 百日せき
- ポリオ
- 髄膜炎菌感染症
- ヒトパピローマウィルス
- 日本脳炎
- インフルエンザ
- A型肝炎
トキソイド
不活性ワクチンと似ているのですが、このワクチンでは病原体自体は取り除かれ、毒素のみを抽出し免疫を作る働きだけにしたものです。このワクチンも基本的に何回か追加接種が必要になります。
- ジフテリア
- 破傷風（はしょうふう）
副反応
副反応とはワクチン接種後に一次的に体に起こる有害な反応のことです。薬の場合は副作用、ワクチンの場合は副反応といいます。一般的によく見られる副反応の一例として、接種した部位が赤くる、熱が出るなどがあります。まれにですが、アレルギー反応により呼吸困難やショックなどの強い症状が接種直後に出現することがあります。ですので、接種後30分はなるべく病院を離れない、もしくわ医療機関との連絡のつきやすい場所にいることをお勧めします。
また、生ワクチンでは接種後にその病気に似た症状がでることがありますが、不活化ワクチンではそのようなことはありません。
ワクチンの接種方法
ワクチンの接種方法としては、大きく3種類に分けられます。
注射による接種
皮下注射
ほとんどのワクチンにおいて原則は皮下注射による接種です。接種する部位は一般的に、上腕もしくは太ももです。
筋肉内注射
ヒトパピローマウィルスワクチンやB型肝炎ワクチンなど、一部のワクチンがは筋肉内注射が使われます。
経皮接種
BCGの予防接種の場合、管針法(スタンプ方式)といわれる方法で接種します。
経口接種
現在はロタウイルスワクチンのみ、経口摂取という飲むタイプのワクチンとなっています。
