発熱と感染症の関係

子供がお医者さんにかかる原因の中で一番多いのは発熱です。発熱は多くの病気に対する正常な反応であり、そのほとんどが何らかの感染によって起こります。

感染症と発熱

乳幼児期の高熱の多くはウイルス感染、もしくは細菌感染によって起こります。発熱自体は悪いことではなく、実際、体が病原菌と戦う手助けをしています。ですので必要以上に熱を怖がらず、正しい知識をもって対処することが大事になります。また、体の免疫が病原菌と戦っている途中で高熱が出るので、熱を下げる薬の使用は必ず主治医の指示に従ってください。

ウィルス感染と細菌感染

熱につながる感染症の多くがウイルスによって引き起こされますが、場合によっては細菌により起こることもあります。病院やホームドクターが処方する抗生物質は細菌感染症にのみ効きます。ですので、ウイルス感染症の場合は抗生物質を使う必要はなく、多くの場合「かぜ」と診断されます。

ウィルス感染=かぜ

かぜとは、喉と鼻や肺の手前までの空気の通り道にウィルスが飛沫感染や接触感染することにより起きます。このウイルス感染により炎症が起こり、鼻水や喉の異変といった症状が現れます。かぜは抗生物質がきかないので、安静を保ち自然回復するまで待つことが最善の治療法となります。また、高熱が長く続く場合や痰が絡んで寝れないなどの場合は、解熱鎮痛剤や去痰剤など症状にあわせて処方されることもあります。

経過の観察

熱があってもぐずったりせず、水分補給ができている場合は熱自体を無理に下げる必要はありません。多くの子供は高熱時に食べることを拒否しますが、水分を摂取している限り心配しなくても大丈夫です。ですが子供が少しでも楽になるように以下のことを試してみましょう。翌日になっても症状が改善されない場合や、悪化したというときはかかりつけ医に相談してください。

頻繁に少量の飲み物を与える

特に6ヶ月未満の乳児にはいつもより多めに授乳するようにします。

風邪薬の使用

オーストラリアではよく子供にパラセタモールやパナドールの使用をすすめています。ですが胃腸に副作用が出ることもあるので、3ヶ月未満の乳児や脱水した子供にイブプロフェンを与えたり、アスピリンを与えることはやめましょう。

頭部を冷やす

高熱が出て寝つきの悪い場合、冷たい水の中に浸したタオルで子供の額を拭いてみてください。このとき、子供が寒いと感じないよう注意してください。また、体が冷えることもあるので汗を流すためシャワーを使用する際は温度管理に十分注意を払ってください。

病院に行くべき時

赤ちゃんが3ヶ月未満で38℃以上の発熱をしている場合や、免疫不全(免疫系が弱まっている)と診断された子供の38℃以上の発熱の場合は、たとえ他の症状がなくてもGPに行くことをお勧めします。

その他のすべての子供の場合は様子を見て、高熱に加え、次のいずれかの症状がみられる場合はかかりつけ医に相談してください。痛みを言葉で表現できない子供は、耳の痛みや頭痛、腹痛などを機嫌の悪さで表しますので、ぐずるなどの態度も重要なポイントになります。

  • 首周辺に痙攣がみられる
  • 下痢や嘔吐など水分をうけつけない
  • かぶれや発疹
  • いつもより眠そう
  • 呼吸に関する問題
  • 子供用の痛み止めが効かない

また次の場合にも、すみやかにかかりつけ医に相談してください

  • 40度以上の熱がある
  • 2日間以上の発熱
  • 症状が悪化しているよう
  • 熱性痙攣を起こしている