せきの出る感染症は様々あり、特に大きく分けると風邪、予防接種で防げる病気、予防接種のない感染症の3つになります。その他にも、ぜんそくやアレルギーでも激しい咳が出ることがあります。呼吸の状態や、いつ出ているのか観察しましょう。ここではまず、せきが出た時の対処法を紹介します。
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家でのケア
寝かせると辛そうなら寝かしつけるときは横向きにするようにしましょう。抱っこは立て抱きにすると呼吸が楽になります。食欲があるようなら様子を見て少量から食べ物を与えましょう。喉の痛みを減らせるためにも水分補給は大切です。できれば、部屋内の湿度を保ちたんの切れをよくしてあげます。また、こまめに部屋を換気し空気を入れ替えます。
姿勢と抱っこ
まずは子供を寝かせる姿勢と抱っこの仕方を見てみましょう。
寝かせる姿勢
咳と同時に鼻水が出るときは上体を起こすようにして寝かせるのがおすすめです。子供は頭が大きく首が短いので、体調が悪いときに仰向けになると気道を確保しにくくなってしまいます。5㎝程に重ねたタオルやクッションを頭から腰にかけて当てて上体を高くしてみましょう。気道が確保されて呼吸が楽になります。
抱っこの仕方
体を起こすように立て抱きしてあげると気道が開いて呼吸が楽になります。
食事について
具合が悪い間は消化器官の働きも落ちています。食欲があまりないのに無理に食べさせると、のどを詰まらせたり嘔吐を引き起こしたりします。食べ物が気管や肺のほうへ誤ってはいってしまうと、最悪の場合、誤嚥性肺炎へとつながります。
吐いた直後
吐いた直後の飲食はなるべく控えましょう。体調が回復するまで食べ物は控え、吐き気が取れ、水分を体が受け付けるようになってから食事は再開します。少量ずつ与え、様子を見ます。
食事の内容
病気の症状に応じて胃腸に負担をかけない食材や調理法を選びます。具合が悪いときは胃腸が弱っているので、消化に悪い物や揚げ物、味の濃い食事や食物繊維の多い食材は控えるようにしましょう。
食べることが辛そうであったり、ぐずってしまうときは食材を食べやすくすることも必要です。離乳食を始めたばかりなら授乳のみにし、離乳食なら一段階前の段階に戻します。離乳食を卒業していても、熱が出ている間はのどごしがよいものや、口の中に長く留まらないものをお勧めします。
食事はむりせず少しずつ
まずは水分をあげてみて、体が受け付けるようであったら消化の良いものを与えます。一度にたくさん食べれないようであったら少量ずつを何回かに分けてあげましょう。幼児の場合、特に嘔吐直後は飲食は避けるようにします。食事再開の目安は、吐き気が収まり水分がとれるまで回復することです。水分を取っても吐かないことが確認出来たら少量ずつ様子をみてあげます。
夜に食べなくても、朝や昼など1日をかけていつもの半分の量が食べられていれば大丈夫です。ただし、何も食べられない、水分が取れない、おしっこが1日2回以上でないときはかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
こまめに水分補給を
体調が悪いときは特に、体の水分や塩分が不足する『脱水症状』に気を付けましょう。下痢や嘔吐の場合は出したものといっしょに、発熱時は汗や吐く息から水分や塩分を失ってしまうので、こまめに補うことが必要です。あせって一度に多くの量を与えると逆効果になることもあるので、症状ごとに与える量やタイミングを確認しましょう。
嘔吐した後は様子を見ながら水分をあげてください。一度にたくさん飲むと吐き気がでるので、口に含む程度から始めます。幼児の場合、嘔吐後30分~1時間は何も与えず吐かないか様子を見ましょう。 何度も吐かやいようでしたら小さじ1杯・ペットボトルのキャップ程の水分を5分おきにあげます。吐かやいようでしたら少しずつ量を増やします。母乳の場合、おっぱいから直接ではなくしぼってスプーンで与えてみてもいいでしょう。
水分補給に適さない水分
- カフェインを含むもの
- 柑橘類の果汁飲料
- 牛乳・乳酸菌飲料
カフェインを含む飲み物(紅茶・緑茶・ウーロン茶)は消化に悪く、吸収に時間がかかるのでおすすめしません。柑橘類の飲み物は下痢をかえってひどくし、牛乳や乳酸菌飲料は脂肪分が多いため消化しにくいと言われています。また、脱水症状の場合はカロリーオフの飲料は必要な糖分が含まれていないため適していません。
室内の環境調節
子供の快適に過ごせる温度は夏場で26度前後、冬場は21度前後と言われています。子供の体調が悪いときは特に室温を上げがちですが、快適温度よりも高く設定しすぎると子供が汗をかきすぎたり寝にくくなってしまいます。風が直接当たらないように気を付けながら、エアコンやヒーターを使って快適に過ごせる温度を保つようにしましょう。
また、乾燥している部屋ではウイルスの活発になります。肌の乾燥や咳の悪化を防ぐためにも加湿器で湿度を50~60%に保つように心がけます。加湿器がないときは濡れタオルを枕元に干すだけでも大きな違いになります。
その他に室内環境を整える方法として換気があります。日中は数時間おきに5分程度窓を開けましょう。これは感染症の予防になるだけではなく、子供の気分を変えることにもつながります。
体温は服で調節
子供の服の選び方は体調の悪いとき、特に熱が出ている間は非常に重要です。肌のトラブルを未然に防ぐためにこまめに変えるようにします。汗で濡れたままいると体が冷えて体調がさらに悪化します。子供の体調が悪いときは室内でも厚着をさせがちですが、子供の体温は大人よりも高いので様子を見て服の枚数を決めましょう。服の素材は汗を吸い取りやすい綿素材の衣類を選び、吸湿発熱のものは避けるようにしましょう。
肌トラブル予防
子供の体調が悪く、ご飯が食べれなかったり体が疲れていると肌のトラブルも起こりやすくなります。熱が出ているときは特に汗をかいたり、吐いたもので汚れる場合があります。汚れた場合はお湯で絞ったタオルで拭いて、こまめに着替えすることを心がけてください。体調を見ながら温かいタオルで体をふいたりシャワーに行きましょう。
シャワーを使うときは洗浄料をよく手で泡立てて、優しくなでるように洗います。シャワーの温度は手に当てても熱くない程度に、水圧は弱めにしてあげます。バスルームが寒く感じる場合は簡易の暖房などを使い温めてから入浴します。汚れがたまりやすい部分を中心に洗うようにしましょう。
洗い方のポイント
- お尻・性器周辺はしわをそっと広げて優しく洗い、しっかりと洗い流してます
- 首や足などのしわの間はよごれがたまりやすいのでしわを伸ばして洗いましょう
- 頭は指の腹を使って、爪は立てずに生え際周辺まで洗います
乾かし方のポイント
- 清潔なタオルを使い体を乾かします
- 体は頭から冷えると言われているので髪はしっかりと乾かします
- 強くこするのではなくポンポンと水分をタオルにしみこませるようにふきます
- 髪の毛の量が多い場合は乾きにくいので、必要であればドライヤーを使います
保湿のポイント
- 肌の乾燥やトラブルを防ぐため保湿剤を
- 保湿剤は乾燥やおしっこやうんちなどの外からの刺激から肌を守ります
シャワーが無理なときは
特に幼児の場合、様子を見てシャワーはやめた方がいいと判断した場合やぐったりしている場合は温かい濡れタオルで体をふいてあげましょう。頭から体へ、そして手足から股をポンポンと軽く押すように拭きます。皮膚に感染がある場合は一番最後に優しく拭くようにします。肌を傷つける可能性もあるので強くこすることはやめましょう。